40位：神田沙也加
神田沙也加は、女優・タレントであり松田聖子の娘としても知られ、2021年12月18日、札幌市内のホテルから転落し35歳で亡くなった。滞在していたのはホテル最上階である22階だったが、発見されたのは14階の屋上部分で、見つかった時にはすでに心肺停止状態だった。
ホテルから遺書は見つからなかったものの、別の場所から、愛犬や恋人関係についての不安をつづったメモが発見された。手術前日に喉の痛みがあり、処置に対して不安を抱いていたことも書かれていた。しかし、神田沙也加の精神状態に最も深く影響したとみられているのが、恋人の前山剛久との不和である。
神田と前山は同年10月に交際を開始した。しかし2022年1月、前山が別の2人の女性と関係を持っていたという噂が浮上し、さらに神田への暴言音声が流出して世間に拡散した。
これら2つが引き金となり、神田沙也加の死は大きな社会的怒りを呼んだ。さらに、妊娠していた可能性を示す噂まで出るようになり、事件後、前山剛久は芸能界引退を発表した。
しかし2024年10月、かつて神田への暴言で休業した前山がまさかの芸能界復帰を図った。だが出演舞台では共演者2名が降板し、公演自体が中止となり強い反発を受けた。その頃に公開された謝罪動画も「不気味だ」という声が多数上がり、大きな話題となった。
ネット上の反応は、前山の復帰に対し圧倒的に否定的であった。
39位：芦名星
映画『W県警の悲劇』などで知られる女優・芦名星は、2020年9月14日、新宿区の自宅マンションで自死した。家族がクローゼットの中で彼女を発見した。36歳という若さで、多くのファンが深い悲しみに包まれた。
その日の夜には、俳優志望の若者向けに講義を行う予定だった。また同日には、彼女のグラビアが掲載された週刊誌も発売されており、仕事への意欲はまだしっかりとあったと見られている。SNSアカウントも持たず、誹謗中傷に晒される機会も少なかった。
なぜ芦名星がこのような選択をしたのか、今も多くの憶測が飛び交っている。2か月前には俳優・三浦春馬が同じく自死しており、芦名星は彼から亡くなる直前に電話を受けていたことがわかっている。さらに三浦の49日が終わった翌日、芦名は「元気にしていますか？」という意味深なツイートを投稿し、恋愛関係だったのではないかという噂を強めた。
当時は新型コロナ流行の真っただ中で、県境を越えた移動も禁止されていた。家族にも会えず、人々は孤独を感じ、仕事も激減していた。芦名星自身も常に不安を抱え、先の見えない状態が続いていたという。もし大切な人の喪失が重なっていたのだとすれば、彼女の選択も理解できなくはない。
38位：鳥山明
『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』など、日本の漫画史を代表する作品を生み出した漫画家・鳥山明。『ドラゴンクエスト』シリーズのキャラクターデザインでも世界的に知られる。2024年3月1日、急性硬膜下血腫のため68歳で亡くなった。
突然の訃報は日本だけでなく世界中のファンに衝撃を与え、全国の書店では追悼コーナーが設けられ、世界中の著名人や企業から哀悼のメッセージが寄せられた。
急性硬膜下血腫とは、脳の表面と膜の間で急激に出血が起きる病気で、劇作家の唐十郎や俳優・細川俊之も同様の症状で亡くなっている。鳥山明は長年糖尿病を患い、さらに1日100本以上吸うほどのヘビースモーカーだったとされ、健康への負担が長年蓄積していたとみられている。
『ドラゴンボール』は今なお世界的に愛され、漫画の累計発行部数は2億6000万部を突破し、関連市場規模は約3.4兆円（230億ドル）にのぼる。鳥山明の原案によるアニメ『ドラゴンボールDAIMA』も2024年10月に放送開始し、まさに彼の遺志が息づく作品となった。
放送開始後、『ドラゴンボールDAIMA』はXのトレンド1位となり、鳥山明のレガシーがなお健在であることを示した。
37位：りゅうちぇる
タレント・モデルとして活躍し、ヘアバンドとポップなファッションで人気を博したりゅうちぇるは、2023年7月、渋谷区の自宅兼事務所で倒れているところを発見された。その前日出演したラジオ番組では「理由もなく涙が出る」と語っており、精神的に不安定な状態が続いていたと見られる。
死因は明かされていない。2016年にはモデルのぺこ（オクヒラテツコ）と結婚し、2018年には長男が誕生。2022年に“新しい家族の形”を模索するため夫婦関係を解消したが、その後も3人で仲良く過ごしており、亡くなる前日もグアムで長男の誕生日を祝っていた。
りゅうちぇるはLGBT当事者であることを公表し、離婚後はよりフェミニンな姿で活動していた。しかしネットでは「妻を捨てて好き勝手するな」「ぺこが可哀想」など激しい中傷が寄せられた。さらにホルモン治療で体調が不安定な時期もあり、様々なストレスが彼を追い詰めた可能性がある。
ぺこは後に「あなたは息子にとって最高の愛にあふれたパパだったと伝え続ける」と語り、芸能活動を続けながら2024年には「ベストマザー賞」も受賞した。2025年、息子は7歳を迎える。彼が成長するころ、日本がもっと優しい社会であることを願うばかりだ。
36位：中山美穂
中山美穂（ミポリン）の名で親しまれた歌手・女優の中山美穂は、2024年12月6日、浴室で倒れているところを発見され亡くなった。その日はBillboard Live OSAKAでのライブ出演を控えていた。
集合時間になっても現れないため、スタッフが自宅を訪問し、悲劇の発見となった。死因は浴槽での溺死とされ、外傷がなかったことから急病やヒートショック、事故などが想定された。
亡くなる前日の夜にはInstagramを更新しており、アシスタントが最後に連絡を取ったのはその日の23時頃。6日午前2時には彼女からLINEのメッセージが届いており、その突然さが際立った。東アジア全域で人気だったため、世界中のファンが深い悲しみに包まれた。
彼女は2025年冬ドラマ『家政婦のミタゾノ』の初回にゲスト出演予定で、セーラー服姿の撮影も済ませていた。同時期『日本の一番ワルい男』にも出演し、主人公の家族に関係する園長役を務めた。番組では彼女への追悼テロップが流れた。
『日本の一番ワルい男』では、第1話（1月9日）と第3話（1月23日）に出演。第5話以降は妹の中山忍が園長役を引き継いだ。
第35位：高橋和希
週刊少年ジャンプで「遊☆戯☆王」を生み出した漫画家の高橋和希は、2022年7月4日、60歳で亡くなった。沖縄県恩納村沖の危険な海域で、離岸流に巻き込まれた少女とその両親を救助するために海へ入った。少女はアメリカ兵によって救助され、両親も難を逃れたが、高橋は姿を消した。
2日後、名護市沖で遺体が発見された。サメによる咬傷で左側が損傷し、脚は皮膚だけでつながっている状態だったため、救助隊は慎重に収容した。
「遊☆戯☆王」は漫画、アニメ、カードゲームとして世界的なブームとなり、カードゲームはギネス記録で「世界で最も売れたトレーディングカードゲーム」に認定されている。1999年には、推定所得11億円に対し、納税額4億円で文化人1位となった。
見知らぬ人を救うために危険な海へ飛び込む行動には、並外れた勇気が必要だ。米陸軍少佐は彼を「他者のために命を捧げた英雄」と称え、多くの人々がその自己犠牲に深い敬意を表した。
第34位：大杉漣
「300の顔を持つ男」と呼ばれた名優・大杉漣は、2018年2月21日、急性心不全で亡くなった。千葉県富津市のホテルでドラマ撮影のため滞在していた際、体調が急変。病院に搬送されたが、家族や共演者に見守られながら67歳で息を引き取った。
突然の訃報は多くの関係者とファンに衝撃を与え、テレビ各局は追悼特番を放送した。出演ドラマはそのままの形で放送され、4月14日の青山葬儀所での葬儀には1700人が参列し、田口トモロヲが弔辞を述べた。
最後の主演作「バイプレイヤーズ～もしも名脇役がテレ東朝ドラで主役を務めたら～」は10月6日に放送され、日本映画プロフェッショナル大賞で最優秀主演男優賞を受賞した。大杉漣は最期まで俳優として輝き続けた。
奇妙なことに、大杉の死はYahoo!知恵袋と結び付けられることがある。亡くなる1週間前の2月14日、「hama0600」というユーザーが「大杉漣の命日はいつですか？」という質問を投稿していた。回答締切は2月20日、まさに前日だった。ニュース後、投稿は削除された。
投稿者の正体は今も不明である。
第33位：月乃ノア
元アイドルグループ「Alternative」のメンバーだった月乃ノアは、2020年9月30日、名古屋市中区新栄町のホテルから飛び降り、一般客がいる中で命を絶った。わずか18歳という若さで、その死は多くの人に衝撃を与えた。
彼女は中学時代のいじめや母親の度重なる離婚など、厳しい家庭環境に苦しんでいた。「Alternative」での活動はわずか2か月で、その後2020年5月から名古屋のコンセプトカフェで働き始めた。
しかし店主からのハラスメントに悩まされ、プロデューサーも助けてくれなかった。知名度が上がるとネットでの誹謗中傷も増えた。亡くなる3日前にも自殺未遂を起こし、家族は強い不安を抱いていた。
2021年2月19日には、文春オンラインが5ページ分の遺書の一部を公開し、後に全9ページあると判明。亡くなる40分前、母親に「憎んでいる人物」の名前を記したLINEを送りつけていた（公開版では伏字）。
YouTuber「よりひと」がプロデューサーを扱った動画を投稿したが、偏った内容に批判が殺到し削除された。月乃の悲劇は、SNS時代の大きな問題を象徴している。
第32位：TENN
大阪を拠点とするヒップホップグループ「ET-KING」の中心メンバー・TENNは、2014年9月26日、大阪市内のマンション駐車場で車内にて遺体で発見された。35歳、グループ解散からわずか5か月後の出来事だった。
妻であるSPEEDの上原多香子は当時、舞台やテレビで多忙だったが、TENNは収入が少なく、金銭問題が死因と噂された。
2017年には遺族が遺書を公開し、真相が明らかに。上原は俳優・阿部力と不倫し、子どもを作る話までしていた。結婚後、TENNは子どもを授かれない体質であることが判明。そのLINEのやり取りを目にしてから1か月後、彼は命を絶った。
ET-KINGは2016年4月、大阪城野外音楽堂で復活ライブを開催。「天国のTENNに届くように」と野外を選んだという。その後も活動を継続したが、2018年にいときんが癌で死去、2021年にはBUCCIが脱退し4人体制になった。
上原多香子は2018年に演出家・コウカズヤと結婚し、子どもも誕生。しかし2023年7月には新たな不倫疑惑が報じられた。TENNが上原と結婚していなければ、悲劇は避けられたかもしれないという声もある。
第31位：前田健
前田健は松浦亜弥のモノマネで知られたお笑いタレントで、2016年4月26日、虚血性心不全で45歳の若さで亡くなった。突然の訃報に、松浦亜弥、はるな愛をはじめ多くの芸能人が追悼の言葉を寄せた。
前田は不整脈を長年抱え、頻繁に通院していた。また、ステーキなど高カロリーの食事を好む不健康な生活でも知られていた。最後の食事は新宿三丁目の「イヴォホームパスタ」での「海の幸とトマトソースのパスタ」だった。SNSには食べ過ぎを心配する声も多く寄せられていた。
倒れる前、前田は50m走、走り幅跳び、リレーなどの競技に参加。その後、休憩中に体調不良を訴え医務室へ行ったが、回復した様子で仕事に戻った。激しい運動が身体に大きな負担をかけたとみられる。
没後も前田健は多くの人に愛され続け、2023年4月26日には芸人のはなわやカンニング竹山が追悼メッセージを投稿した。
お笑いコンビ・オードリーも売れない頃に前田から励まされたという。オードリー・若林と南海キャンディーズ・山里が出演したドラマ「でも、結婚してもいいですか？」では、前田がモデルとなった谷翔太というキャラクターを藤井隆が演じ、その温かい演技が多くの視聴者に前田を思い出させた。
第30位：桜塚やっくん
不良少女のキャラで人気を博したお笑いタレント・桜塚やっくんは、2013年10月5日、中国自動車道（山口県）で交通事故に巻き込まれ、37歳で亡くなった。その日はバンド「美女♂menZ」とともに熊本のイベントに向かう予定だった。
事故は、やっくん自身による単独事故が発端だった。マネージャーが走行中の車から警察に電話しようとした際、トラックにはねられた。その後、状況を確認するために車外へ出たやっくんも別の車にひかれ、命を落とした。
高速道路では歩行禁止だが、事故直後でパニック状態だったとみられる。事故現場は「魔のカーブ」と呼ばれ、事故が多発する危険地帯だった。この事故後、山口県警は対策を強化し、事故件数は半減した。
やっくんは2011年の傷害未遂の書類送検以降、芸能活動が低迷していた。それでも訃報に際し、多くの芸人やアーティストが追悼した。通夜では本名・斎藤恭央の名前でプライベート写真が遺影として使われた。
2016年には山口県美祢市の「みね桜公園」に桜の木が植樹され、2020年には彼の代表的なネタが「エンタの神様 大爆笑スペシャル」で放送され、多くのファンがSNSに思い出を投稿した。
第29位：松野莉奈
私立恵比寿中学の元メンバー・松野莉奈は、2017年2月8日、致死性不整脈により17歳の若さで亡くなった。前日から体調不良で自宅療養していたが、翌朝、両親により意識のない状態で発見された。
若者の致死性不整脈は非常に珍しく、彼女の死はファンだけでなく芸能界や多くの親たちにも深い悲しみを与えた。2月25日にはパシフィコ横浜で「松野莉奈を送る会」が開かれ、約2万人が参列した。
私立恵比寿中学は活動を続け、2017年5月に「感情電車」をリリース。MVには、松野が家族と訪れた思い出の地・箱根が登場する。全国ツアーは4月に始まり、千秋楽は松野の誕生日である7月16日に行われ、2月8日と7月16日は多くのファンにとって大切な日となった。
生前、松野はフェスの開催を夢見ており、その願いは2019年6月「MUSiCフェス～私立恵比寿中学創立10周年記念～」で実現。フジファブリックなど、エビ中に関係するバンドも出演し、同じくメンバーを失ったグループ同士のつながりも示された。
悲しい出来事ではあったが、残されたメンバーが前に進む姿を見て、多くのファンも希望を持つようになった。2023年現在も、私立恵比寿中学は音楽活動を続けている。
第28位：藤圭子
「新宿の女」などのヒット曲で知られる演歌歌手・藤圭子（宇多田ヒカルの母）は、2013年、東京で倒れ、病院到着時にはすでに死亡が確認された。62歳だった。警察は、高層マンションからの転落による自殺と判断した。
藤は1988年頃から精神的な問題に悩まされながらも、歌手として活動を続けていた。娘・宇多田ヒカルが15歳でデビューし大ブレイクした1998年以降、藤の表舞台での活動は減り、バトンを渡した形とも考えられた。
本人の遺志により葬儀は行われず、速やかに火葬。遺骨は海に散骨され、お墓は作られなかった。
深い悲しみの中、宇多田は妊娠と母になることへの思いから再び創作意欲を取り戻し、2016年4月発売の「あなたに花束を」は、亡き母への手紙のような楽曲となった。
言葉では足りないから 涙の色した花束をあなたに送ります
この歌詞の通り、藤圭子への愛に満ちた作品となっている。藤が亡くなった後も、その才能を受け継ぐ娘は多くの名曲を生み出し続けるだろう。
第27位：高野ひな
アイドルグループ「KISS Bee」の初代リーダーを務めた高野ひなは、2020年7月10日、20歳の若さで急逝した。詳細は事務所から明かされていないが、SNS上では自殺説が囁かれ、Wikipediaに「COVID-19による合併症で死去」と虚偽の記述がされたこともあった。
亡くなる朝、彼女はTwitterに「ここまで来れたのはみんなのおかげ」と投稿。前日には萎れたバラとタンポポの写真をInstagramに載せていた。
バラは永遠を象徴し、ヨーロッパでは墓地に備える花。タンポポは別れを意味する。あの投稿には、覚悟を決めた気配が漂っていた。
2020年5月23日、テラスハウスの木村花が誹謗中傷を受け自殺し、4日後に高野は「毎日のように誹謗中傷の的になってると、慣れてきちゃう。もう何も感じない」と投稿。彼女自身も深刻なネットの攻撃にさらされていたのだろう。
KISS Beeはその後も勢力的に活動し、2023年7月9日には5名の新メンバーが加入。高野の不在が、むしろグループの前進を後押ししているかのようだった。
第26位：仲本工事
コメディグループ「ザ・ドリフターズ」の元メンバー・仲本工事は、2022年10月18日午前9時12分頃、横浜市内の歩行者専用交差点で交通事故に遭った。病院へ搬送されたが、頭部や顔面に重度の損傷を負い、翌日に死亡した。
仲本は2012年、27歳年下の歌手・三代純歌と結婚（3度目の結婚）したが、死の直前に三代は彼のもとを離れていた。週刊誌は、彼がゴミ屋敷のような自宅に住み、多額の借金を抱えていたと報じ、その5日後に事故が起きた。
入院後、ドリフターズの高木ブーや加藤茶が三代を責めたという証言も出ている。さらに葬儀では、三代が遺体を撮影するなど不適切な行動をとったと報じられ、仲本の所属事務所から預かった60万円の戒名料を一部使い込んだとの噂も広がった。
報道により三代純歌は「モンスター嫁」と批判され、名誉毀損で訴訟を起こしたが、真偽は明らかになっていない。
仲本工事が最晩年に幸せだったのかどうかは、今となってはもう誰にもわからない。
第25位：忌野清志郎
RCサクセションのボーカル兼ギタリストとして知られる忌野清志郎は、2009年5月1日、58歳で癌性リンパ管症により亡くなった。2006年5月に咽頭がんと診断されたが、歌声を失わないよう手術ではなく放射線治療と化学療法を選択した。2007年1月には徐々に音楽活動へ復帰していた。
しかし2008年2月にがんが再発し、2009年2月に再び入院。容体が急変した際には、家族と親友・仲井戸“CHABO”麗市が見守っていた。5月4日には近親者のみで密葬が執り行われた。
RCサクセションは1968年から1991年まで活動し、日本のロック界に大きな影響を残した。5月9日にはファンのための“ロック風告別式”「忌野清志郎 AOYAMA ROCK'N ROLL SHOW」が青山葬儀所で開催され、4万3000人が参列した。これは忌野の人気が衰えていなかった証だ。
告別式では竹中直人や甲本ヒロトなど著名人が弔辞を述べた。遺影には芸名ではなく本名の「栗原清志」が使われた。今も彼のファンは多く、毎年5月2日には命日イベント「イマワノキ」が開催されている。
第24位：櫻井敦司
ロックバンド BUCK-TICK のボーカリストである櫻井敦司は、2023年10月19日、脳幹出血のため57歳で亡くなった。この日、櫻井はKT Zepp Yokohamaでライブ中で、3曲目「絶界」を歌い終えた直後、突然倒れた。スタッフに支えられステージを後にしたが、治療の甲斐なくそのまま息を引き取った。
BUCK-TICK は1987年にメジャーデビューし、独自のビジュアルと芸術性で人気を確立した。櫻井は圧倒的なステージ存在感から「魔王」と呼ばれ、多くの楽曲で作詞も担当した。最期のステージでも、しゃがみ込みながら歌い続け、ミュージシャンとしての誇りを貫いた。
ボーカリストを失ってもバンドは活動継続を決め、今井寿と星野英彦がボーカルを分担し、2025年には新ツアーも予定されている。
また、2020年に芥川賞を受賞した作家・遠野遥は櫻井の実の息子である。幼少期に両親が離婚し、母親に育てられたが、遠野はよくBUCK-TICKの音楽を聴いていたという。父譲りの感受性と芸術性を受け継いだと言われている。
第23位：藤木孝
「うぐいすじゃない」で紀伊国屋演劇賞を受賞した俳優・声楽家の藤木孝さんが2020年9月20日、中野区の自宅マンション2階で首を吊って亡くなった。享年80歳。2021年1月期のドラマ「明治開化 新十郎探偵帖」が最後の出演作となった。
息子が様子を見に訪れて発見した。遺書には「役者を続ける自信がない」と書かれていた。わずか1週間前には芦名星が亡くなり、その翌週には竹内結子の訃報が続き、芸能界は動揺していた。
しかし藤木の予定は詰まっており、翌年のミュージカル出演も決まっていた。年齢的にも区切りの時期だったのかもしれない。彼の胸の内は今も謎に包まれている。
特筆すべきは、芦名星・三浦春馬・藤木孝がそろって2008年のドラマ「ブラッディ・マンデイ」に出演していたことだ。単なる偶然か、それ以上の因果なのかは分からない。それでも彼らは全力で作品に向き合っていた。重圧が連鎖を生んだのかもしれない。
第22位：沖雅也
「太陽にほえろ！」のスコッチ刑事で知られた沖雅也は、1983年6月26日、京王プラザホテル47階から飛び降り自殺し、31歳で亡くなった。7階の屋外プールに落下し即死だったが、後ろ向きに落ちたため顔は損傷しなかった。
躁うつ病との診断があり、これが死因として扱われている。テレビから舞台へ軸足を移し、ちょうど大阪公演が始まる時期だったが、部屋は半年前から予約されており、強い意志が示唆された。
遺書には「父と涅槃で待つ」とあった。ここで言う父とは、1975年に彼を引き取った芸能事務所社長・日景忠男のことだ。日景は沖をスターに押し上げたが、その見返りとして性的関係を迫ったとも言われている。また彼は沖の3000万円の保険金を受け取り、その後覚醒剤で逮捕された。
沖の死は芸能界に暗い影を落としたが、深い悲しみも呼んだ。4日後に密葬、1か月後に本葬が行われ、多くのスターが参列した。平幹二朗は「ファレノプシスのような男だった」と悼んだ。
第21位：TARAKO
TARAKOは、『ちびまる子ちゃん』の主人公まる子の声で知られる声優・歌手で、2024年3月、63歳で亡くなった。2023年11月に体調を崩し、検査で「重い病」が判明。2024年2月からは病室で収録を続けていた。
病名は公表されていない。1990年にまる子役を引き継いで以来、声優・ナレーション・司会など幅広く活躍した。酒豪として知られ、事務所から控えるように言われていたほどで、過労もあったとみられる。
6月には「TARAちゃん ありがとうの会 ～大切なあなたへ～」という追悼イベントが開かれ、多くの声優・関係者・ファンが参列した。まる子役は菊池こころが後任となった。
原作者さくらももこは2018年に乳がんで逝去。2024年3月時点で、さくら家の声優6人のうち3人が代替わりしている。それでも『ちびまる子ちゃん』は『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』と並ぶ国民的作品として愛され続けている。
第20位：渡辺裕之
俳優・渡辺裕之は2022年5月3日、自宅のトレーニングルームで親族により発見された。66歳。死因は縊死とされ、当初はトレーニング中の事故との見方もあったが、意図的な行為と判明した。
10日に家族葬が行われ、妻・原日出子がコメントを発表した。渡辺は自律神経の不調を抱えており、コロナ禍で気分の落ち込みが深まっていたという。
「病が心を追い詰め、不安に閉じ込めてしまった。支援を始めたばかりで、突然のことで…」と原は語った。前日は明るく、番組『ゴルフの絆』の準備をしていたという。
2023年5月3日、原は遺骨を納めたことをInstagramで報告。多数のコメントが寄せられ、渡辺裕之が今も多くの人に愛されていることが示された。
第19位：三浦和義
「漫画なんかいらない！」などで知られた三浦和義は、2008年10月10日（現地時間）、ロサンゼルス市警の拘留施設内で首を吊って死亡。61歳だった。警察は自殺と断定したが、弁護人は他殺を主張した。
1981年、当時の妻がロサンゼルスで強盗に撃たれ死亡。1984年にはこれを保険金目当ての計画的犯行とする報道が浮上し、「ロス疑惑」と呼ばれるようになった。
さらに、1979年失踪の女性の遺体が発見された際、三浦が直後に多額の金を引き出していた事実が判明し、「ロス スキャンダル」と騒がれた。1985年には別件で逮捕されたが、2003年に釈放。13年もの拘留生活を送り、メディア批判も繰り返していた。
2003年、2007年には万引きで逮捕され、精神的な疲弊が見え始めた。2008年2月、1981年事件に関連してサイパンで拘束され、その後LAPDへ移送された直後に自ら命を絶った。火葬後、10月25日に遺骨は家族と共に帰国した。
彼が本当に「犯人」だったのか、それとも無実だったのか、真相は今も闇の中だ。
第18位：畠山麦
「秘密戦隊ゴレンジャー」のキレンジャー役で人気を博した俳優・畠山麦は、1978年7月13日、首吊り自殺により34歳で亡くなった。当時は『特撮最前線』の収録中で、突然の訃報は芸能界とファンに大きな衝撃を与えた。
特撮の撮影中、同僚たちが作業を終えても、畠山はなかなか終了の合図を返さなかったという。翌日には撮影に姿を見せなかった。心配したマネージャーが自宅を訪ね、すでに息を引き取っていることが分かった。
カレー好きで大柄なのに身軽というキレンジャーのキャラを体現したが、そのイメージが本人の負担にもなった。ゴレンジャー終了後は仕事が減り、収入も少なかった。
芸能界には「一発屋」の烙印が重くのしかかることがある。名声を誇りとする者もいれば、そこから逃れたい者もいる。畠山がキレンジャーとしての栄光をどう受け止めていたかは、今となっては分からない。
第17位：志村けん
ザ・ドリフターズのメンバーで国民的コメディアンの志村けんは、2020年3月29日、70歳で新型コロナウイルス感染症により亡くなった。日本で感染が急拡大し始めた時期で、その衝撃は芸能界だけでなく全国に広がった。
3月15日に体調不良を訴え、20日に重度の肺炎で入院。24日にはECMOを使用するほど悪化し、そのまま意識が戻らず29日に息を引き取った。感染拡大防止のため、遺体との対面は許されず、病院から直接火葬場へ運ばれた。
4月1日には追悼番組が放送され、加藤茶の弔辞は多くの視聴者を涙させた。6月25日には東村山市が名誉市民称号を授与。9月9日には浅草芸能大賞特別賞を受賞し、2021年6月には故郷に銅像が建てられた。
志村けんの死は、千葉真一・岡江久美子ら他の著名人の訃報とも重なり、コロナがいかに深刻だったかを世に示した。
第16位：上島竜兵
お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」のムードメーカーとして人気だった上島竜兵は、2022年5月11日、中野区の自宅で妻により発見され、病院に搬送されたが死亡が確認された。61歳。状況から自死とみられた。
派手なリアクション芸とは裏腹に、上島は真面目で繊細だった。優しい人ほど悩みを抱え込み、誰にも迷惑をかけまいとして、苦しみを深めることがある。
仕事は安定しており、金銭管理は妻がしていたが、孤独感が募っていた。コロナ禍で友人に会えず、志村けんの死は大きな打撃だった。
葬儀は家族のみで行われたが、多くの仲間が「俺も竜ちゃんの家族だ」と声を上げ、彼を偲んだ。 2023年8月には妻・広川ひかるがエッセイ『竜ちゃんのバカ』を出版し、知られざる素顔が明かされた。
第15位：飯島愛
元AV女優でタレント、起業家でもあった飯島愛は、2008年12月24日、渋谷インフォスタワーの自宅で死亡しているのが発見された。36歳。死因は肺炎とされたが、亡くなったのは発見の約1週間前と推定された。
2007年3月31日に芸能界を引退した後もブログで近況を報告していた。亡くなる10日前には「STOP AIDS」イベントに元気に参加しており、突然の訃報に多くのファンが衝撃を受けた。
2009年3月、東京プリンスホテルで行われた葬儀には1500人が参列。島田紳助や中山秀征が弔辞を述べ、式の様子は生放送もされた。
ブログは2015年10月31日に閉鎖されるまで約7万2700件のコメントが寄せられ、彼女の人気が衰えていなかったことを示した。 肺炎とされたが、なぜそこまで悪化したのかは疑問が残る。睡眠薬の過剰摂取や腎臓の感染悪化説もある。AIDSとの噂もあったが、主治医が完全に否定している。
第14位：坂井泉水
ZARDのボーカル・坂井泉水は2007年5月26日、慶應義塾大学病院で3メートルの高さから転落し死亡した。40歳。後頭部を強打したことによる重度の脳挫傷が致命傷となった。事故か自殺か議論されたが、最終的に“事故”と判断された。
2000年頃から子宮筋腫と卵巣嚢腫を患い、2006年には子宮頸がんが発覚。2007年には肺への転移が見つかっていたが、ツアーやアルバムの作詞準備を続けており、前向きに闘病していた。
転落は午前5時40分という不自然な時間帯だったが、部屋の整理もなされておらず、遺書もなく、さまざまな憶測は根拠がないとされた。
訃報の後、東京と大阪で献花が行われ、約1万人が弔問。6月26日には青山葬儀所で音楽関係者による追悼式、翌27日には一般向けの追悼式が行われ4万100人が参列した。これは戦後4番目の規模とされる。
第13位：hide
X JAPANのギタリストとして絶大な人気を誇ったhideは、1998年5月2日、自宅の寝室でドアノブを使って首を吊った状態で発見された。33歳。突然の死は全国で連鎖的な自殺未遂を招き、メンバーが緊急会見で「死なないでほしい」と訴えるほどだった。
遺書はなく、バンド活動の重圧による疲労説がささやかれた一方、ドアノブという方法から、酔った拍子の“誤事故”説も出た。真相は今も分からない。
X JAPAN はその後長い休止期間を経て2007年に復活。楽曲「IV」には hide の生前のギター音源が使用され、PVでは空のマイクスタンドの横にhideの名入りスタンドが並ぶ演出がなされた。
2014年には生誕50周年記念アルバム、2016年には1996年の伝説的ソロツアー「PSYENCE A GO GO」の映画版が公開。今でも多くの若者やヴィジュアル系アーティストから神のように崇拝されている。
第12位：岡田有希子
1980年代を代表するアイドル・岡田有希子は、1986年4月8日、自宅マンションでリストカットを試みて救護された後、サンミュージック本社ビル8階から飛び降り亡くなった。18歳。鉛筆書きの遺書らしきメモが残されていた。
4月10日の葬儀には3000人以上が集まり、その人気の大きさを示した。同月、125人の若者が後追い自殺し、「ユッコ・シンドローム」と呼ばれる社会問題となった。
原因は不明のままだが、過密スケジュールで睡眠不足に苦しみ、男性関係にも悩んでいたとされる。2000年には元チーフマネージャーも自ら命を絶っている。
荻野目洋子は今も毎年墓参りを続け、ファンも命日に現場と墓前に集まり続けている。“永遠の18歳”として、彼女は今も多くの人に愛されている。
第11位：千葉美裸
2007年映画『花影』でデビューした女優・千葉美裸は、2022年12月、36歳で自ら命を絶った。きっかけとなったのは、園子温監督からの性被害を公表した後に起きた激しいバッシングだった。
2022年4月の週刊文春で、彼女は2012年に起きた出来事を証言した。アクション俳優・坂口拓を通じて園と知り合い、「仕事の話」として呼ばれた自宅で、ベッドに押し倒され関係を迫られたという。
逃げ出したものの、その後も執拗にLINEが届いた。園はこれを否定し、名誉毀損で文春を提訴した。
その6か月後の12月、千葉は亡くなった。芸能活動を控え、シングルマザーとして暮らしていたが、公表後のネット中傷により心をすり減らしていた。 近年、芸能界では性被害を訴える声が性別問わず増えている。彼女の死を無駄にしないためにも、業界全体の改革が必要かもしれない。
10位：田宮二郎
1978年版『白い巨塔』でスターへと上り詰めた俳優・田宮二郎は、1978年12月28日、自宅寝室でクレー射撃用の猟銃により自ら命を絶った。享年43。隣室には遺書が残され、警察は自死と判断した。12月30日に密葬が営まれ、1月12日には大規模な追悼式が行われた。
華々しい活躍の裏で、田宮は結核を契機とした双極性障害に長く苦しみ、晩年の彼を大きく蝕んでいた。彼が演じた財前五郎は教授の座を狙いながらも肺癌に倒れる役どころ。
田宮は衰弱した姿を表現するため、最終の病床シーンでは3日間の断食まで行った。財前の最後の手紙も自ら執筆し、担架に乗る“遺体”も自ら演じた。撮影後、「いい死に方ができた」と語ったという話は、役への深い没入を物語る。
訃報が報じられたのは放送残り2話の時期。視聴者の関心は急上昇し、最終回の視聴率は31.4％を記録。田宮の姿は多くの人々の記憶に刻まれることとなった。
9位：芦原妃名子
『砂時計』『セクシー田中さん』などで知られる漫画家・芦原妃名子は、2024年1月29日、栃木県日光市の川治ダム付近で自ら命を絶った。発端は2023年10月に放送されたドラマ版『セクシー田中さん』を巡る問題にあった。
芦原は原作への忠実さを強く求めていたが、局側は大幅に改変された脚本を承認するよう迫ったため、彼女自身が第9話・第10話の脚本を書く事態に発展。1月26日、芦原は経緯をXに投稿し、これが脚本家・プロデューサーへの批判を招いた。
2日後、投稿はすべて削除され、最後のメッセージには「誰かを攻撃したかったわけじゃない。ごめんなさい」と綴られていた。ドラマは未完のまま幕を閉じ、将来有望な作家を失う痛ましい結末となった。
原作の実写化で生じる“原作無視”の問題は以前からあったが、芦原の死はその構造的な歪みを世に露わにした。
8位：野村沙知代
“サッチー”の愛称で知られた芸能人・野村沙知代は、2017年12月8日、虚血性心不全のため85歳でこの世を去った。歯に衣着せぬ発言や奔放なキャラクターで注目され続けていたが、2011年頃から体調と記憶力の低下が見られ、徐々に表舞台から姿を消していった。
2018年1月25日、東京のホテルでお別れの会が開かれ、古田敦也ら野球界の著名人、萩本欽一や中村玉緒ら芸能人など約1000人が参列した。夫・野村克也は訪れた人々へ深い感謝を述べた。
2019年3月、克也は回想録『「ありがとう」が言えなくて』を出版。芸能界きってのおしどり夫婦として知られた彼は、2人の関係を“電池”のように互いを支え合うものだと語っている。浅香光代とのバトルなど公のトラブルでも、克也は常に沙知代の味方であり続けた。
沙知代は生前、「朝、起こしに来たとき冷たくなっているのが理想」などと語り、「一緒に穏やかに逝きたい」と夫に告げたこともあった。そしてその言葉のとおり、克也は2020年2月11日、自宅で倒れこの世を去った。2年2か月後のことだった。今ごろ再会を喜んでいることだろう。
7位：坂本九
『上を向いて歩こう（SUKIYAKI）』で世界的に知られる歌手・坂本九は、1985年8月12日、日航123便墜落事故で43歳の若さで亡くなった。同事故は単独機として史上最悪級で、520名が犠牲になり、生存者は4名のみだった。
遺体は損傷が激しく、16日に家族が確認した。21日放送の『夜のヒットスタジオDELUXE』では森進一が『見上げてごらん夜の星を』を熱唱し、多くの視聴者が涙した。
坂本の歌は今も世界中で愛されている。『上を向いて歩こう』は宇多田ヒカル、美空ひばりなど多数がカバーし、『明日があるさ』はウルフルズや吉本興業メンバーによって再解釈され大ヒットした。
2003年には平井堅が『見上げてごらん夜の星を』をデジタル技術で坂本九と“仮想デュエット”として発表した。
娘の大島花子も歌手として活躍しており、2009年の出産以降、絵本『はらぺこあおむし』の歌唱などで母親世代から人気を得ている。坂本九の音楽への情熱は彼女、そして多くのアーティストに受け継がれている。
6位：志村正彦
ロックバンド・フジファブリックのボーカル兼ギター、志村正彦は2009年12月24日、29歳の若さで急逝した。死因の詳細は現在も不明で、メンバーでさえ真相を知らない。自死説、飲酒、生活習慣が原因など諸説が飛び交った。
親友の椎名林檎は、同年のCOUNTDOWN JAPANの東京事変ステージで白黒の衣装を身にまとい、密やかに志村への哀悼を示した。
フジファブリックはその後も志村の精神を受け継ぎ、山内総一郎（Vo/Gt）、金澤ダイスケ（Key）、加藤慎一（Ba）の3人で活動を続けたが、2025年2月に活動休止を発表した。
2022年、山内は志村を想って書いた「白」を収録したソロ作を発表。彼への尽きない悲しみが生々しく刻まれている。時が経っても、絆が色あせることはない。
5位：木村花
『テラスハウス』に出演した女子プロレスラー・木村花は、2020年5月23日、22歳でリストカットにより亡くなった。警察は自死と発表。彼女は傷の写真とともに「生きてる間に愛が欲しかった」と投稿していた。母・木村響子が駆けつけた際、部屋には遺書と硫化水素生成に使われた可能性のある容器が残されていた。
きっかけはFODで放送されている「テラスハウス」と関係があるようだ。彼女の画面上での行動は激しい反発を招き、Netflixが3月31日に同エピソードの配信を停止すると、ネット上での非難は5月18日のテレビ放映時よりも急増した。当初は、番組への批判が主な原因と思われていた。
後に母・響子が暴露したところによると、花の“問題行動”はスタッフによる演出で、彼女は“悪役”を強いられていたという。苦しみの原因はネットだけではなく、番組制作側にもあった。
事件後、フジテレビは番組制作の在り方や出演者ケアの見直しを表明。2021年3月以降、花への誹謗中傷者は次々と法的措置を受けることになった。
響子はNPO法人「Remember HANA」を設立し、誹謗中傷の撲滅や支援活動を続けている。
4位：西田敏行
数多くの時代劇で活躍した俳優・西田敏行は、2024年10月17日、76歳で急逝した。1981年には『もしもピアノが弾けたなら』で紅白にも出演し、多才さを示した人物だった。
晩年に差し掛かっても精力的に活動し、亡くなる9日前の10月8日には『ドクターX THE MOVIE』の完成披露試写会に姿を見せていた。亡くなる当日も仕事が入っていたという。死因は虚血性心疾患。彼はかつて2016年に頚椎すべり症や胆嚢炎なども患っていた。
幼少期は家庭環境が厳しく、若くして福島を離れた。彼は遺骨を福島に納めたいという願いを持っており、亡くなる1か月前には静かに故郷を訪れていた。それが何かの予兆だったのではと語る者もいる。
晩年は車椅子を使用することも多かったが、演技への情熱は変わらず、共演者たちはその技量と人柄に深い敬意を抱いていた。
自伝『役者人生、笑いと涙』で彼は「生きている限り演じ続ける」と宣言し、その言葉どおり最期まで俳優として生き抜いた。
3位：竹内結子
『今、会いにゆきます』などで知られる女優・竹内結子は、2020年9月27日、自宅の寝室クローゼットで首を吊った状態で発見され、搬送先で死亡が確認された。40歳。遺書はなく、状況から自死と見られた。
発見したのは夫の中林大樹。「普段と変わらなかった」と語っており、前夜は家族4人で普通に夕食を囲んでいたという。しかし彼女が2階へ上がった後、全てが一変した。
原因は依然不明。中村獅童との離婚後、中林と再婚し、2020年1月に次男が誕生したばかりだったことから、産後の心身の負担を指摘する声もある。
この年は三浦春馬、芦名星、藤木孝など芸能界で悲しい出来事が続発。三浦は竹内と共演経験があり、その死が彼女に精神的影響を与えた可能性も噂された。 一部では夫婦仲の不和説も囁かれたが、家族仲良く外出する姿も頻繁に見られていた。現在、中林は竹内の前夫との間の長男と、自身との次男を2人で育てている。
一家は関東郊外の海沿いの街へ移り住んだ。子どもたちのためだという。血が全てではない。家族を形づくるのは“愛”であり、彼らの静かな生活はそれを証明している。
2位：尾崎豊
『15の夜』『卒業』などで知られる歌手・尾崎豊は、1992年4月25日、足立区の民家で倒れ、妻と兄に付き添われ帰宅した後、急速に状態が悪化し、病院で息を引き取った。26歳だった。
ニュースは若者を中心に社会へ衝撃を走らせた。4月30日の葬儀には4万人が集まり、その規模は吉田茂や忌野清志郎の葬儀に匹敵するものだった。一部では後追い自殺の噂まで出るほど、彼の影響力は絶大だった。
公式発表では肺水腫だが、検視で興奮剤反応が出たため薬物使用による肺機能不全とされた。
テレビ朝日は、妻と知人が薬物で彼を死に追いやったとする内容のドキュメンタリーを放送したが、妻が提訴し全戦勝訴。番組は完全に撤回され、陰謀説は否定された。
突然の死を迎えながらも、尾崎の曲は今も色褪せない。息子の尾崎裕哉も歌手となり、2023年4月には父の名曲『I LOVE YOU』とのコラボCDを発売。 裕哉は父が亡くなった頃まだ幼く、記憶はほとんどない。だからこそ歌うことで、持ち得なかった“親子の記憶”を作ろうとしているのかもしれない。
1位：三浦春馬
『14才の母』などで人気を博した俳優・三浦春馬は、2020年7月18日、自宅の寝室クローゼットで首を吊り、マネージャーによって発見された。撮影現場へ迎えに来た際の出来事だった。遺書は見つからず、動機は不明。享年30。
当時、ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』に出演中だったが、明らかに痩せており、ファンから心配の声が上がっていた。原因として、ネット上の批判、完璧主義による自己負荷、さらには家庭の問題など多くが推測された。
この悲劇は単発ではなく、同時期に芦名星、藤木孝、竹内結子らが相次いで命を落とした。2021年には神田沙也加、2022年には渡辺裕之、そして植芝龍平と続き、いっそう深い影を落とした。
三浦の死は日本を超えて米国、英国、中国などへ広まり、とりわけ中国では関連投稿が11億ビューを超えた。世界中のファンが彼を悼んだ。出演作は変更されず放送され、字幕で追悼の言葉が添えられた。 2021年1月16日、『銀魂2 掟は破るためにこそある』が地上波放送され再び大反響を呼び、彼の存在感の大きさを示した。
2024年7月18日、四回忌には公式Xが追悼投稿を行い、多くのファンが溢れる思いを寄せた。三浦春馬の魂は今も人々の心に生き続けている。